夢相続コラム
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【遺言書がなくてもめた実例】<姉vs妹>自宅も賃貸マンションももらいたい!妹と対立したNさん
2022/08/15
【遺言書がなくてもめた実例】<姉vs妹>自宅も賃貸マンションももらいたい!妹と対立したNさん
■Nさんのプロフィール・・・賃貸管理業、離婚して息子と2人暮らし
<家族関係図>
被相続人 母
相続人 長女(本人)、妹 2人
■自宅に住み賃貸マンションももらわないと困る
Nさん姉妹は母親を亡くし、嫁いだ妹と2人で相続手続きをすることになりました。母親の財産は、自宅と9世帯の賃貸マンションと預金です。姉妹は相続の手続きのため、毎年確定申告をお願いしている税理士のところに一緒に行って説明を受けました。母親には賃貸マンションを建てたときのローンがあり、合算すると基礎控除の範囲内におさまるので相続税の申告は必要ないとのこと。そのとき税理士は、「売ればどちらも6000万円位、合わせると負債を引いても9000万円位になりますね」という説明でした。
その後、Nさんがこちらに相談に来られましたので、財産評価をしてみると、それぞれに負債もあり、正味財産は両方合わせても4500万円であり、税理士の説明が相続評価よりはかけ離れていると感じました。Nさんの相談はどのように考えて分割協議をすればいいのか、アドバイスがほしいということでした。
財産評価は自宅が3000万円、負債が多いマンションは1500万円と計算できました。Nさんの考えでは、「妹は事業家のご主人が亡くなったため遺産があり、余裕はあるので、不動産は両方自分がもらいたい。その分を代償金で払うが少なくしてもらわないと今後の生活や賃貸事業が大変」というのが本音でした。
■相続実務士ならこうする!
相続の場合は、路線価を基準として財産評価をするので、売れたらいくらという表現をしないのが基本です。その後の遺産分割協議では売却した場合の提示も必要かもしれませんが、最初からその話をしてしまうと売らないことには手許に払える現金が入りません。
最初にこちらに来て頂いたとすれば、相続評価をして基本として互いに譲れるところを探ってもらうことがスタートです。また、Nさんの話を一方的に聞くだけでは一方的な主張になるでしょうから、妹さんの考えも聞いて、両方の妥協点を見つけていくような提案をすることになります。
合わせて4500万円だとすれば、不動産はNさんが相続する場合、代償金として評価の半分相当2250万円をNさんが妹さんに払うという形です。
ところが、Nさんは自分の今後、収入が減ったら大変だということが念頭にあり、不動産を両方もらった上で払うものも最小限にしたいと。妹さんの方は税理士の言った、売れば両方6000万円という言葉が頭にあるようで、半分は6000万円と思っていますので、Nさんの提示する代償金では少なすぎるとなるのも無理はありません。
ボタンの掛け違いは徐々に大きな亀裂となり、結局はまとまらず、未分割のまま、賃貸収入を2等分にし、自宅はNさんが住み、修繕費等は負担していくことでなんとかバランスは保てています。「売れば6000万円」という説明が適切ではなかったようで、この不用意な発言のお陰でまだ根本的な解決にはなっていません。
弊社では様々なプランをご用意しております。
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