夢相続コラム
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【運命を変えた相続の極意】親子の共有割合で節税をした西村さん
2021/10/29
【運命を変えた相続の極意】親子の共有割合で節税をした西村さん
相続関係者
被相続人 夫
相続人 4人(配偶者・相談者、長女、長男、次男、三男)
相続事情
西村さんは夫と2人で医院を開業しながら、4人の子供を医者に育て上げられたとのこと。内科医の夫を助けて医院の切り盛りをしてきてきた西村さんですが、穏やかな人柄からは想像できないような苦労もしてこられたように聞いています。
夫は地方出身ですが、大学時代に東京に出てきたことがきっかけで、そのまま近県に移り住み、土地を購入して開業されたということです。なかなか簡単な道のりではなかったようですが、地元で信頼の厚い内科と小児科の医院ですから、医者として満足な日々をおくられていたのではないかと思えます。
しかし、そんな夫ながら、自分では病院嫌い、検査嫌いで、体調が悪くなったときには手遅れで手の施しようがないような病状だったとのこと。それでも入院をいやがり、黙って自宅に帰ってしまうような人だったと懐かしそうに話して下さいました。
相談者にこられたきっかけ
西村さん夫婦で開業した医院は、夫が発病後、長女夫婦が跡継ぎとなり、運営は平常通りに行われています。長女が内科医、娘婿が小児科医ですので、後継者にはこれ以上の人選はなく、医院の継承は大成功だと言えるでしょう。
夫が亡くなったとき、西村さんが相談したのは、他県で開業する長男でした。長男は、私の本を読んで相談をしてみればいいのでは、と推薦をしてくれたということです。
親子、姉弟の仲は良く、特に大きな問題もありませんが、相続税をどうして払おうかということが不安材料でした。
運命の分岐点・ここがポイント
☆二次相続を想定した遺産分割
節税のためには、配偶者が無税となる特例を生かして財産の半分を西村さん名義にするにすることが第一と考えられますが、そうするにも問題がありました。
子供たちがそれぞれ開業している病院の土地は夫名義であり、その土地を子供が相続するとした場合、西村さんの相続割合が半分にならないことになり、子供の納税が増えてしまいます。そこで、それぞれが使用している土地については、使用する子供と西村さんの共有としました。これで配偶者の特例が受けられるぎりぎりの割合まで個々の土地により按分をし、納税を最小限に抑えました。また、二次相続では利用している子供がそれぞれ相続するという前提を付けています。
☆納税用地は姉弟で共有
夫の財産の中には相続税に足りる現金はないので、古くなり空き家になっている貸家の不動産を納税用の候補地としました。その土地を相続するのは納税をする子供4人であり、共有するとしました。納税は相続する不動産の評価により多少の違いがありますが、ほぼ同程度の財産を相続することになりましたので、納税用の土地の持ち分も各4分の1です。
☆土地の売却代金で納税
納税用地は25坪程で、住宅用地に適していると思われました。売却が間に合わなければ物納という予定でしたが、申告までに売却が決まり、納税は売却代金で済ませることができました。
最初、西村さんは納税が間に合わないのではないかと心配をしておられましたが、申告の3ヶ月程前から大まかな評価や納税は把握できており、方針を決めて売却活動に入れましたので、早めに売却をすませることができたのでした。
相続実務士®の視点
西村さんはとても上品な方で、いつもにこやかに話をして下さいます。4人の子供さん全員をお医者様に育て上げることは、金銭的にも精神的にも容易なことではないと想像しますが、そんなことは苦労とは思わなかったと言っておられました。
今回は納税の負担を少なくしたいという意向を汲んで親子の共有を提案しましたので、ご自分の相続のときにはその前提のとおりに円満に進めてもらいたいというのが西村さんのお気持ちです。
今回の相続手続きでも子供さん達は円満で、スムーズに進みましたので、問題はないと思えますが、それでもあらためて遺産分割協議をすることは大変でもあります。今のうちに西村さんの方で遺言書を作成しておかれることが子供達のためになるとお話しをしてありますので、実現すればさらに安心されるのでないかと考えています。
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