夢相続コラム

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【節税の教科書】【遺産分割】調査の日程に合わせて道路上の障害物を撤去した大久保さん

2022/09/27


【節税の教科書】【遺産分割】調査の日程に合わせて道路上の障害物を撤去した大久保さん

 

◆相続関係者

●依頼者 大久保さん(男性・60才代)・職業 会社員

●家族関係 被相続人 父 相続人 母 長男(大久保さん) 大久保さんの長女(養子)

●財産の内容 自宅不動産、賃貸アパート、貸宅地、預貯金

 

◆状況

大久保さんのお父様は先祖代々からの土地を受け継ぎ今まで守ってきました。相続税対策も子は大久保さんお一人だけでしたので、孫にあたる大久保さんの長女を養子としたり、アパート経営をしたりして、ご自分なりに進めてきました。しかし突然脳梗塞で倒れ、一時はご自宅に戻るまで回復しましたが、間もなく他界されました。お母様もただただ茫然とし、なかなか立ち直るには時間がかかったそうです。大久保さんはお母様のそばを離れることができず、相続が発生して4カ月ほど経ってから、お母様と一緒にご相談に来られました。

 

ご実家の隣と裏手にお父様が趣味で行っていた家庭菜園がありますが、家庭菜園と呼ぶにはそれ以上の広大な土地が2ヶ所と、自宅の近くにアパートが3棟、貸家が12棟あります。お父様は修繕をまめにされてきましたが、貸家は築20年以上経過しており、老朽化が進んでいました。

 

◆課題

不動産の割合が全体の約90%を占めていましたので、どの評価の仕方が一番適切であり、且つ評価が下げられるかが課題でした。また老朽化が激しい貸家の建て替えも検討課題の一つでした。申告の期限までまだ約半年ありましたが、路線価が設定されていない場所があったので、特定路線価を申請する必要がありました。

 

大久保さんは相続税をいかに少なくするかを最大の課題としておりましたので、配偶者控除を目一杯使用し、二次対策のできる不動産をお母様が相続するようにしました。

 

◆解決へのアドバイス

◇私道が公共性のあるものと判断する

 

お父様は私道に面した貸宅地とその私道も所有されておりますが、その私道には路線価が設定されていませんでした。この私道は普段は防犯上の都合により、いつでも撤去可能な土のうやドラム缶等で通行止めをしてあります。しかし通行止めにしてある私道を単純に評価するよりも、公共性があると判断されれば、ゼロ評価も可能です。

 

 

◇特定路線価の調査日を確認する

 

この私道には路線価が設定されていませんでしたので、税務署に特定路線価の申請を行わなければなりませんでした。この申請を行うと、税務署の担当者が現地に赴き、調査を行います。この調査は事前に所有者に日程の連絡がくるか、若しくは自分で確認することができますので、調査日の前日に障害物の撤去作業を行いました。

 

お父様の人柄で今までお付き合いのある近隣の方にもご協力を頂く事ができ、なんなく作業は完了し、誰が見ても公共性のある道路と判断できるものとなりました。特定路線価の申請後、間もなくその価格が届きましたが、周りの路線価に比べ約90%の価格であったため、所有している貸宅地も評価減をすることができました。

 

◆ここがポイント

・相続税の総額を減らすため配偶者の相続割合を少なくした

・小規模宅地の特例は住む人が相続することが最大の評価減となる

・小規模宅地の特例は住む人の権利が1%でも最大にいかせる

 

 

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