夢相続コラム

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【コラム・調査】賃貸収入の申告をしていなかった斉藤さん

2020/11/05


【コラム・調査】賃貸収入の申告をしていなかった斉藤さん

●財産とご家族の状況

●依頼者 斉藤さん(女性・80才代)・職業 主婦
●家族関係  被相続人 夫  相続人 妻(本人)、長女、長男
  ●財産の内容 不動産2箇所、預貯金、有価証券

●状況

斉藤さんは専業主婦で、夫と長男の3人で暮らしです。夫は会社員でしたが、すでに退職しており、決して無駄遣いしない質素な生活でしたが、平穏無事な毎日です。ところが夫は思わぬ病気で急に亡くなってしまったのです。夫の財産は、金融商品と不動産が2箇所あるとのこと。金融資産がいくらあるのか知らないため、相続税がかかるかどうかわからず心配になり相談に来られました。

●課題

斉藤さんの夫は定年まで勤務していましたが、株式や投資信託などの金融商品が好きだった為、働いていた頃もいろんな金融商品をよく購入していたそうです。具体的な金額は聞いていませんでしたが、運用が上手だったようで金融資産だけで1億円以上あることを知り、相続税の申告が必要とわかりました。
斉藤さんは長女、長男の3人で分割方法について相談しましたが、幸い金融資産が多く、又、種類も多かったため遺産分割もすんなり決まりました。
しかし問題は斉藤さん自身の預貯金が5000万以上ある事です。専業主婦なのに預貯金が5000万もあるのは不自然で、それが税務調査で判明すれば、相続税の申告をすることで、今まで夫から贈与をうけていたからではないかと税務署から疑われる可能性があります。相続税に加えて、贈与税がかかっては大変です。

●解決のアドバイス

◇預貯金の根拠を明確にする
斉藤さんに預貯金が5000万ある理由を聞くと、30年前に親から貸地(底地)を相続しており、その地代を使わずにそのまま30年間蓄えていたとのことでした。地代はいままで集金してもらっており、借地権の契約等の書類は何もないままで確定申告もしていませんでした。そこで何時から、誰から、いくらもらっているのかをこの機会にまとめ、年間いくらの収入と支出があるのかを整理しました。

◇過去の確定申告をする
夫からの贈与でできた預貯金でない事を明確にし、贈与や名義預金ではないかと認定されないようにする対策として、過去5年間分さかのぼって確定申告することを提案しました。申告期限が過ぎていますので、延滞税は当然かかります。しかしなにより、相続税の申告と同時に5年間分さかのぼって確定申告をすることで収入があった事が明確になり高い税率である贈与税の問題を回避できることになります。

●相続実務士から ここがポイント

・相続税申告のタイミングに家族名義の財産も整理しておく
・相続人固有の財産である場合、根拠を明確にする
・過去遡って確定申告をすることで自分の財産であることを主張する

弊社では様々なプランをご用意しております。
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