夢相続コラム
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【相続事例】<姉vs妹> 自宅も賃貸マンションももらいたい!妹と対立した奥村さん
2020/12/24
【相続事例】<姉vs妹> 自宅も賃貸マンションももらいたい!妹と対立した奥村さん
財産とご家族の状況
●依頼者 奥村さん(女性・60才代)賃貸管理業、離婚して息子と2人暮らし
●被相続人 母
●相続人 長女(本人)、妹 2人
●財産の内容 自宅の土地、建物、賃貸マンション、預貯金、負債
■相続事情 自宅に住み賃貸マンションももらわないと困る
奥村さん姉妹は母親を亡くし、嫁いだ妹と2人で相続手続きをすることになりました。母親の財産は、自宅と9世帯の賃貸マンションと預金です。姉妹は相続の手続きのため、毎年確定申告をお願いしている税理士のところに一緒に行って説明を受けました。母親には賃貸マンションを建てたときのローンがあり、合算すると基礎控除の範囲内におさまるので相続税の申告は必要ないとのこと。そのとき税理士は、「売ればどちらも6000万円位、合わせると負債を引いても9000万円位になりますね」という説明でした。
解決へのアドバイス
奥村さんがこちらに相談に来られましたので、財産評価をしてみると、それぞれに負債もあり、正味財産は両方合わせても4500万円であり、税理士の説明が相続評価よりはかけ離れていると感じました。奥村さんの相談はどのように考えて分割協議をすればいいのか、アドバイスがほしいということでした。
財産評価は自宅が3000万円、負債が多いマンションは1500万円と計算できました。奥村さんの考えでは、「妹は事業家のご主人が亡くなったため遺産があり、余裕はあるので、不動産は両方自分がもらいたい。その分を代償金で払うが少なくしてもらわないと今後の生活や賃貸事業が大変」というのが本音でした。
不動産を奥村さんが相続する場合、代償金として評価の半分相当2250万円を奥村さんが妹さんに払うという形が法定割合となります。互いに少しずつ譲り合って不動産と預貯金を分けるようアドバイスをしました。ところが、奥村さんは収入が減ったら困ると、不動産を両方もらった上で払うものも最小限にしたいという考えで、妹からは納得してもらえません。
相続実務士より
ボタンの掛け違いは徐々に大きな亀裂となり、結局はまとまらず。未分割のまま、賃貸収入を2等分にし、自宅は奥村さんが住み、修繕費等は負担していくことでなんとかバランスを保てています。
「売れば6000万円」という不用意な発言が影響し、まだ根本的な解決にはなっていません。互いにすこしずつ歩み寄ることが必要だと思いました。しかし、姉妹ふたりで妹には子供がなく、妹さんもいずれ奥村さんの息子に託したいという気持ちを聞きましたので、家庭裁判所などできっちり決めるよりももう少し時間をかけてもいいと思うところです。
相続実務士からのアドバイス
相続の場合は、路線価を基準として財産評価をしますので、売れたらいくらという表現をしないのが基本です。相続評価を出して分割案の提案からスタートしますが、一方的な主張を聞くのではなく、相続人個々の意向を確認して全員に無理のない妥協点を見つけて提案をします。
弊社では様々なプランをご用意しております。
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