夢相続コラム

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【遺産分割の節税事例】分けられない不動産を相続する佐藤さん

2018/03/07


 

【相続人の課題】不動産を分けることができない

 

佐藤さんの父親は、2つの会社を経営していて、長男である佐藤さんと次男がそれぞれ会社を引き継いで経営してきました。父親が80 歳になり、そろそろ本格的な相続対策をしなくてはと思っていたのですが、その矢先に急病で亡くなってしまいました。

 

父親は納税や分割のために必要だと考えていたようで、多くの現金を残してくれていましたが、自宅以外の不動産は会社で使用しており、売却することができません。

 

また、自宅は母親と佐藤さんの家族が住んでいるため、きょうだいで分けるわけにはいきません。会社の経営に関わっていない長女、三男、次女には現金を分ける必要があります。母親の老後やこれからのことを考えると、できるだけ節税したいと考えています。

 

【相続実務士の提案】配偶者の税額軽減を最大限に活用する

 

節税できるポイントは、「小規模宅地等の特例」を適用することと「配偶者の税額軽減の特例」を利用することでした。将来的な二次相続のことも気になりますが、佐藤家のケースでは、まずは今回の納税の負担を減らすことが急務といえました。

 

父親の遺言がありませんので、特例を利用するには、遺産分割協議が終了している必要があります。不動産の分け方については、きょうだいの間で暗黙の了解があり、会社を継ぐ佐藤さんと次男は会社が使用する不動産を相続することで話がまとまりました。

 

母親と長男、次男が会社の不動産を共有

 

母親は自宅を相続しますが、それだけでは50%の相続にならないため、会社が利用する不動産について、母と長男の佐藤さんまたは次男との共有として調整しました。工場1は佐藤さんと母親、工場2は次男と母親としました。長女、三男、次女の3人については、相続税分の現金を差し引いた残りの現金を3等分することで合意を得ました。

 

また、自社株の評価をし直すと、土地の評価の違いによって顧問税理士が出していた評価額よりも減額でき、節税になりました。

 

結果として、節税額は6037万円。

配偶者の税額軽減を活かして納税を減らした事例です。

 

 

 

 

執筆者紹介

【講師】曽根恵子

(株式会社夢相続代表取締役 公認不動産コンサルティングマスター相続コーディネート実務士)

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