夢相続コラム

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【評価・申告の節税事例】不動産が分けられない中村さん

2018/03/09


 

【相続人の課題】母親の生活費を減らしたくない

 

中村さんの父親は、30代のとき独立し、土地を購入して建築資材の販売会社を経営していました。仕事は順調でしたが、建築業界の景気が悪化し、経営が厳しくなってきたため、父親は会社を整理し、貸駐車場にしました。

 

父親の土地は400坪あり、駅や公共施設に近い立地ですので、その周辺には商店や会社が集まっています。そこで父親は、月極駐車場ではなく、時間貸し駐車場として経営することを考えました。その結果、順調な経営ができていました。

 

バブル経済の頃から、建築会社の営業マンが頻繁に来ては、マンションの建築を勧めてきました。しかし、中村さんの父親は節税対策には理解を示さず、節税はできていません。

 

父親が亡くなったときに負債はないものの、財産の大部分が不動産で現金は多くありません。相当な相続税がかかることを覚悟しているものの、駐車場の収入が母親の生活費になるため、できるだけ減らしたくないのが希望です。また、遺言書がないためきょうだい間での遺産分割協議も必要です。

 

【相続実務士の提案】自宅は中村さんと母親の共有とする

 

駐車場の400坪は、店舗にもなる立地ですが、周辺には住宅も多く、ビルや工場がある立地ではありません。二方の道路に面していますが、面積が大きく道路負担が必要になる地形のため、広大地評価ができると判断し、不動産鑑定士の意見書も添付しました。

 

母親の割合が50%になるように調整

 

自宅と駐車場の両方を母親名義にすると母親の相続する割合が50%を超えてしまうため、両方とも同居する長男の中村さんと母親の共有として、調整しました。

 

母親には自分の預金があるので、父親の現金は長男以外の子どもたちが相続することとし、分割の合意は得られました。

 

二次相続までに母親の節税対策をする必要がありますので、中村さんが中心となり、土地活用をすることも提案しました。

 

結果として、節税額は7675万円。

駐車場を広大地として評価を下げた事例です。

 

 

執筆者紹介

【講師】曽根恵子

(株式会社夢相続代表取締役 公認不動産コンサルティングマスター相続コーディネート実務士)

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