夢相続コラム

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「家族にやさしい“ほほえみ相続”をしよう」(21)もめない遺言書(9)

2021/03/03


「家族にやさしい“ほほえみ相続”をしよう」(21)
~感情面、経済面に配慮した「相続プラン」でコミュニケーションを~

余命宣告後の公正証書遺言書。贈与よりは相続が費用負担が少ない

◇余命3ヶ月の宣告
Aさん(30代女性)は、父親所有する土地に、Aさんの夫が銀行から融資を受けて自宅を建てることになりました。父親も快く承諾してくれて、担保提供もしてくれることになったのです。Aさんは3人きょうだいの長女で、下に二人の弟がいます。その弟たちも母親も、父親の土地にAさん家族の家を建てることは了解してくれています。 建築が始まり、融資の手続きや引渡しの日程も決まりつつあるころ、父親は余命3ヶ月と宣告されたのです。すぐに入院、治療が始まりましたので、薬の影響もあり、体調がすぐれない様子で いつ、急なことにもなりかねないと心配になり、Aさんが相談に来られました。

◇贈与のほうがいいか?
Aさんは、父親が亡くなってしまうと融資が受けられないかもしれないので、 すぐに自分の名義になるように贈与してもらうほうがいいのかと考えたようです。 しかし、贈与では贈与税の特例によって、贈与税は課税されない部分はあっても、 不動産取得税や登録免許税がかかるため、相続のほうが負担が少ないのです。

◇遺言書を用意してもらう
まずは、父親の体調のいいときを見計らって、担保提供の手続きをします。 そして、土地は「Aさんに相続させる」という内容の公正証書遺言を作成し、 相続になっても分割協議がまとまらないなどの不安を解消することを提案しました。 父親は余命宣告されているとはいえ、とてもしっかりされていて、 意思も明確で、問題なく公正証書遺言は完成したのでした。 追って、銀行の手続きも済ませることができ、Aさんの不安は解消しました。 父親も自分の役目を果たされたことで安堵され、穏やかな表情をされていました。

◇生前贈与より相続が費用は少ない
生前に贈与をしてもらったほうが不安がないと思う方は多いのですが、費用面で考えると相続のほうが少なくて済むのです。
ひとつは登録免許税が違います。贈与の場合は固定資産税評価額の1000分の20の登録免許税がかかりますが、相続は1000分の4です。相続は贈与に比べて5分の1で済みます。
ふたつめは不動産取得税です。贈与を受けても売買するのと同様に固定資産税評価額の4%の不動産取得税がかかります。相続では不動産取得税がかかりません。
よって相続に比べて贈与を受けた場合、登録免許税と不動産取得税は負担増になることを考えて、どちらがいいか選択することをおススメします。

弊社では様々なプランをご用意しております。
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