夢相続コラム

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【相続で価値を見いだせない時代】不動産より現金

2021/08/03


【相続で価値を見いだせない時代】不動産より現金

これが現実

・土地神話が崩壊し、土地の価値は下がり続けている
・不動産を相続すれば価値が目減りする
・現金の方が使い道は自由で、安心

土地神話が存在していた頃は、不動産を所有する事自体がステータスであり、それ以外の価値は追求しなくてもよかったといえます。土地の価格はどんどん値上がりし、今までにないくらいの価格で売れるようになったことから、莫大な相続税が課税されたとしても土地を売ればなんの問題もなく解決したわけです。

不動産を持っていさえすれば黙っていても値上がりするわけですから、買わない手はないという風潮もありました。また、早く買わないとどんどん値上がりして手が出なくなるという雰囲気もあったので、時代に乗り遅れては困ると、勧められるまま、自宅や投資用の不動産を購入した人がたくさんありました。そのお陰で不動産ブームはさらに加速し、早い者勝ちのように不動産購入に群がる人たちが現れ、さらに価格は上昇するという具合でした。信じられないくらいの高価格であったとしても、だれもが不思議に思わなくなるほど日本全体が浮かれていた時期だったのです。

ところが、そうした好景気があっけなく崩壊し、それからというものは、不動産の評価は毎年のように下がり続ける事態となりました。好景気で価格が高い頃に購入した人は、売却価格が購入価格を下回るようになり、ローンの残額にも足りないこともなります。そうなれば売りたくても売れないとなり、気軽に買い換えもできなくなったのです。

投資用の物件を購入した場合は、家賃が下がってしまうと、予定していた収入が得られないばかりか、ローン返済が負担ということにもなります。

評価も売買価格も下がっている時期ながら、固定資産税の下落率はまだゆるやかで、思うほど下がっていません。農地以外の空き地の固定資産税はかなりの負担になってきます。空き地は収益を生みませんから、ただ所有しているだけではマイナスでしかないということです。不動産を所有することは様々なリスクをかかえていることであると言えます。不動産は、持っているだけでもリスクがあり、維持も簡単ではありません。さらには毎年評価が下がる時代ですから、相続の時に不動産でもらった人は、少しずつ価値が減っていくということになります。

こうした背景から、自ずと現金の方が安心で確実だとなります。不動産に比べると確かに現金の方が使い道は自由であり、そのまま銀行に預けても減ることはないのです。相続する財産が現金だけとなれば簡単ですが、現金はわずかでほとんどが不動産という場合が問題です。わずかな現金を取り合うことになったり、不動産を相続する人と現金を要求している人の間で不公平感が出て、まとまりません。また、収益を生む不動産は欲しいがそうでないものはいらないということも出てきます。

今の時代、現金は欲しいが、不動産は相続したくないという人が増えているのも当然のことなのかもしれません。

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