夢相続コラム
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【価値ある相続を実現する】不動産の評価を下げて節税した実例1
2021/09/08
【価値ある相続を実現する】不動産の評価を下げて節税した実例1
市街化の畑の評価を減額して相続税を下げた永山さん
□永山家のプロフィール・・・専業農家で畑が財産
・相続人関係図
被相続人 母 (賃貸不動産業)
相続人2人 配偶者なし(既に故人)
長女(農業、不動産賃貸業、母と同居)
養子(長女の夫、農業)
・農家で賃貸業
永山さんは専業農家で、野菜を作って市場や農協に出荷するのが仕事です。亡くなった父親は、30年程前から畑の一部に貸家に建て、賃貸業もしてきました。貸家は20棟ほどもありましたので、農作業の合間に家賃を集金するのは永山さんの仕事でした。
永山さんは一人娘で養子を迎えていますが、実質的にも跡取りということで若い頃よりなんでも父親のかわりに動いていました。勉強家でもあり、何でも自分で行動して確認するタイプなので、物知りで通っており、まわりの人からは一目置かれていました。
・賃貸の会社を作った
永山さんは父親の生前より税金のことを勉強して、相続対策をしてこられました。貸家を作ったのも相続対策ですが、毎年の所得税のことも勉強しており、税理士より賃貸管理の会社を作った方がいいことを聞き、父親を代表者として有限会社を設立しています。現実に日常の家賃回収や貸家の修理などはすべて永山さんが動いていましたので、専業農家とはいっても賃貸業の実務の方もあれこれと忙しかったようです。
・父親の相続から母親の相続対策へ
父親が亡くなったのは昭和57年で、まだ土地の評価も上がる前でしたが、畑が多く、配偶者の特例を利用しても数千万円程度の相続税がかかったのです。納税は農地の納税猶予の特例を利用したため、大きな負担はありませんでしたが、相続税は大変だと身にしみたようです。それからは、母親の相続税の節税対策にとりかかったのです。
貸家は土地を売ったお金で建てたので、負債はありませんでした。それで相続のときには節税効果がなかったことから、は銀行から借入をし、賃貸アパートを建てました。丁度地価があがろうとする頃でハウスメーカーの営業マンが入れ替わりきていましたので、2DKの6世帯としました。それでもまだ畑はあることや銀行の融資担当がもっと借入をしておかないと相続が大変ですよと勧めたことから、毎年のように5棟まで建てて行きました。
その間、老朽化した貸家を壊して2階建ての戸建て住宅も3棟建てて、賃貸しています。
・相続税の予想額は1億円
アパートの建築費の借入は5棟分で約2億円です。融資銀行の担当者からは相続税はヌ億円以上はかかるので、もう少し借り入れを増やしてはという話もありましたが、賃貸物件の入居が厳しくなってきたことや残る畑はまだ耕作したいと考えていたので、次の計画は立てないままできました。相続税が1億円程度であれば貸家の土地を売却すればなんとかなるだろうと予想できたからです。
また、生前に財産評価と相続税予想額の算出を依頼されていましたので、こちらでも確認していました。平成11年にはじめて計算したときの相続税は1億2000万円でした。
・母親が亡くなった
母親は父親より20年長生きされ、90歳で亡くなりました。生前対策や納税の準備はできているので、なんらとまどうこともなく、相続の手続きを進めることができたのですが、それは永山さんの長年の努力の賜といえます。また、相続人は、一人娘である永山さんと養子の夫の二人で、遺産分割が揉めるということもありません。
申告の依頼を受けて、まず概算で計算した相続税は、5800万円でした。それから、節税を第一の目標に取り組みを始めました。
相続コーディネートのポイント
・利用形態毎の面積
永山さんの財産の場合、減額できるのは、土地の評価だと判断しました。特にアパートと畑のある土地は一体で2000坪程の土地ですが、貸家、アパート、畑、私道などに分かれており、一部を公道によって分断されています。詳細な評価を出すには利用している単位毎に地形と面積が必要です。そこで、土地家屋調査士に測量と、地形図の作成を依頼して、建物の配置図と各利用目的毎の面積を算出してもらいました。
・貸家の土地で減額
貸家は、私道や公道のまわりに建てていますが、手前の建物と奥の建物に配置されており、個々に区画を作るといくつもの変形地ができ上がります。それをひとつひとつ評価していくことで、筆ごとに評価するよりも減額につながります。
・畑を減額
畑は、三方をアパートに、残る一方を駐車場によって囲まれています。現実は、アパートの敷地を通って入るのですが、その道路付けの悪さと広い面積であることから、宅地の区画割りを作って通り抜ける道路を0評価として減額しました。また、変形の区画もできてしまうので、それも減額につながりました。
・予定の半分に節税
相続税は当初の予想額の半分程度まで減額することができましたので、納税用地はそれだけ少なくて済んだのです。当初は250坪程度は売却する覚悟でいましたが、相続税が減ったことから、100坪程度の売却で済ませることができたのです。売却するのは貸家の土地なので、母親が亡くなったときにはまだ入居中でした。そこで申告の準備を進めることと並行して入居者へ明け渡しの協力を申し入れていましたが、幸いにトラブルもなく明け渡してもらい、売却が進み、納税に間に合いました。
価値はココ!
○生前に財産の確認をしていた
すでに財産は確認できていたので、すぐに準備にとりかかれた
○利用形態毎の面積を出す
建物配置図を作成し、個々の地形と面積を出すことにより、評価は減額できる
○袋地の畑を減額
袋地で道路に面しておらず、面積の大きい畑は、宅地の区画割り図を作成して、有効宅地率を出すことによって減額できる
○貸家の土地を減額
建物の配置図を作成して、利用区画毎に評価し、減額した
○納税資金の土地売却
早めに予定額の目安がついていたので、明け渡し、売却が順調に進み、申告までに売却が完了した
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