夢相続コラム

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介護の現場で知っておきたい 争いを防ぐ“円満相続”のポイント(2)

2021/06/02


介護の現場で知っておきたい 争いを防ぐ“円満相続”のポイント(2)

2.相続に関する民法が改正された
40年ぶりに相続に関する民法が改正された・・・7つの項目

高齢化社会となり遺産相続の課題やトラブルが増加している背景もあって、2018年7月に民法の改正が行われました。効力が発揮されるのは2019年1月から2020年7月からとなります。改正の内容は次のような項目です。

(1)配偶者は相続後も無償で自宅を使用収益できる権利(配偶者居住権)を創設した。
(2)婚姻20年以上の配偶者から自宅の贈与等を受けた場合、持ち戻し免除の意思表示があったとして特別受益(財産の前渡し)に該当せず、配偶者は自宅を相続した上で残りの財産の法定相続分を取得できる。
(3)介護に貢献した相続人以外の親族は、相続人に対し「特別寄与料」を請求できるようになる。
(4)自筆証書遺言について、預貯金や不動産等の財産目録はPC作成でも構わない。
(5)自筆証書遺言を法務局で保管してもらえる。
(6)預貯金の3分の1について、各相続人は法定相続分まで単独で払戻しを請求できる。
(7)遺留分を算定する際、相続人に対する贈与は相続開始前10年以内のものに限り算入する。
(8)遺留分については現金にて支払うこととし、不動産の共有、分割はしない。

〇「配偶者居住権」の創設など、配偶者は優遇される(1)(2)

子供がいる場合の配偶者の法定相続分は財産の2分の1のため、法定相続分で分割すると子供の取り分を捻出するため家を売却するなどの必要性に迫られます。そこで住んでいる家に限って所有権とは別に「配偶者居住権」を新設し、住み続けることができるようにしました。また、婚姻20年以上の場合、遺言による遺贈もしくは贈与された居住用の家は遺産分割の対象から外せるようになりました。、配偶者居住権は家の評価額よりも低くなるので、配偶者が法定相続分で相続しても、住んでいる家を失わない上に、現金を相続することができるケースが増えます。
たとえば自宅4000万円、現金2000万円の財産を配偶者と二人の子供で分ける場合、法廷割合では配偶者3000万円、子供1500万円となり、配偶者は自宅全部を相続できず、売って分けることにもなりかねない。しかし「配偶者居住権」は半分の2000万円となれば自宅に住みながら現金1000万円相続できることになります。居住権の評価額は住む年数などに応じて変わり、権利を行使するためには登記が必要となります。

介護に寄与した金銭を請求できる(3)

亡くなった人の介護などをした相続人以外の親族が、相続人に金銭を請求することもできるようになりました。たとえば同居している長男の妻は、亡くなった義母を献身的に介護しても、いままでの法律では相続人の寄与分は考慮されても、相続人ではない嫁などの立場では、財産を受け取ることはできず、不満が残ることがあったのが現実でした。そうした状況を解消するため、介護についての請求ができるようになりましたので、今後の介護については貢献した分を還元できるようになります。

自筆証書遺言が作りやすくなった(4)(5)

自筆の遺言書は、全部を遺言者が自分で書くことが要件となっており、不動産が多い場合や預貯金が多い場合はハードルが高かったと言えます。そうしたことを解消するため、不動産や預貯金などの財産目録をパソコンで作成しても認められることになりました。また、自筆証書遺言を法務局で保管してもらえるようになりましたので、いままで作成を躊躇っていたひとにも作成しやすくなったと言えるでしょう。

預金の仮払い制度(6)

相続になったら亡くなった人の預金口座は凍結されてしまい、相続人全員の合意がないと下せなくなります。このため葬儀費用や諸手続きの支払いにも困るご家庭が多かったのですが、預貯金の3分の1について、各相続人は法定相続分まで(各金融機関にて150万円まで)単独で払戻しを請求できるようになりました。これにより当座の費用の支払いについては不安解消となります。

特別受益の範囲が決められた(7)

遺言書があり、遺留分を侵害されている相続人は、遺留分を請求する権利がありますので、行使しますが、遺留分算定の財産確定が難題で争点ともなっていました。その対象を相続人に対する贈与は相続開始前10年以内のものに限り算入するとなりました。

遺留分は現金で支払うことに限定(8)

遺留分減殺請求をする場合、不動産の分割を希望する場合もあったため、共有することであらたなトラブルも引き起こすことがありました。そのために、遺留分の減殺請求は現金で支払うことに限定されました。

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