夢相続コラム
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取材コラム『女性セブン』「女性が得する相続」①介護で得する
2018/12/19
小学館『女性セブン』「女性が得する相続」は、あさ8時半から取材に来られました。
最近は、「女性セブン」も芸能ニュースよりも年金などの経済的なニュースのほうが読まれているのだそうです。
今回の取材目的は、民法の改正がテーマですが、女性誌だけに、女性目線で紹介したいということです。
妻・母 女性が損しないような目線で紹介されています。介護、自宅、遺言、税金。7ページの特集です。
介護、自宅、遺言に分けて内容をご紹介します。
妻に有利な改正
来年1月から相続のルールが大きく変わります。実に40年ぶりのことです。
その法改正の最大のポイントは、『遺された妻にとって有利なルールになった』ということでしょう。
相続は、被相続人(財産を遺した人)が亡くなる前から準備しておくことが、とても大切です。
特に今回の法改正では、女性が“いまから知っておくべきこと、やるべきこと”が増えました。
逆に、今から始めなければ、親族間でトラブルが起きたり、損をするケースもあります。
介護の対価が請求できる
今回の改正では、介護した妻には「特別寄与料」、つまり介護の“対価”が請求できるようになります。
介護した妻は、故人の生活に貢献したわけですから、報われる余地を作ろうということで生まれたのが、この新ルールです。
これまでも介護で尽くした場合には『寄与』という考え方はありました。
しかし、寄与料を受け取るためには、他の相続人の同意が必要な上に、妻ではなく相続人である夫に支払われるものでした。
特別寄与料の算定方法は未定
現時点では、特別寄与料がいくらぐらいになるのか、その詳しい算定方法が決まっていません。
ただ、過去の事例に照らせば、『介護にかけた時間 × 都道府県が定めた最低賃金』で計算されたり、
『介護のために辞めた仕事で、本来得られていたはずの賃金』、または、『ヘルパーを雇ったら、いくらかかっていたか』などが
考慮されて算定されると考えられます。
過去に裁判所が『時給850円換算』で計算した事例もありました。そうなると、数十万円~数百万円程度に落ち着くと考えられます。
介護の状況を共有する
義父母の介護をしている妻は、揉めないためにも、いますぐ始めるべきことがあります。
特別寄与料の請求の証拠になるように、記録を残しておきましょう。
まずは、どれぐらいの時間、どんな介護をしたのかを『介護日誌』にまとめること。
通院のタクシー代、紙おむつ代など、介護に要したレシートも取っておきましょう。
また、仕事をした場合に得られた金額の算出のため、当時の源泉徴収票なども残しておいたほうがいいでしょう。
さらに大切なのは、介護の状況について、親族と共有しておくことです。
義父母の死後、相続の話し合いが始まってからでは“本当に介護したのか?お金目当ての嘘では?”ともなりかねません。
介護中から、親族にはマメに報告をして親の様子を共有しておきましょう。
財産の内容も共有しよう
スマホ時代なので、介護の様子を写真や動画で撮影し、定期的に夫の親族に送信しておくのも有効です。
親の様子が伝わり、夫の親族から感謝されるだけでなく、介護をした証拠にもなります。
介護を受ける人が感謝する様子などが入っていれば、なおいいと言えます。
介護のために親の財産を使ったのに、後から“財産を使い込んだ”と言われて揉めるケースも少なくありません。
介護が始まる前に、親族で財産の状況を確認し、使ったお金はレシートなどで残しておいて、トラブルの芽は摘んでおくことが賢明です。
コラム執筆