夢相続コラム
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相続では弁護士に頼まないほうがいい!これが真実
2021/06/14
相続では弁護士に頼まないほうがいい!これが真実
弁護士は、どんな仕事をするのか?
・相続の場面で弁護士が登場するのが定番?!
テレビの2時間ドラマでよくあるシーンは、葬儀のあと、親族が集まっているところに弁護士が登場し、「亡くなった○○さんは遺言を書いていて、私に遺言執行を依頼されていました。」と遺言書を見せるというもの。そうしたシーンが目に浮かびますね。
弁護士は遺言執行者という立場で、遺言に書かれた内容を実行していく役割を果たします。遺言執行者の立場で、亡くなった人の預金を解約し、遺言通りに相続人に配分する役割を果たすのです。遺言書があれば、最優先されますので、相続人は弁護士のいうことを受け容れなければなりません。
このように相続の場面では、必ず弁護士が登場するもの、と思う人もいることでしょう。
・依頼者の味方で家族の味方ではない
ところで、弁護士はどういう仕事をする人でしょうか?
「事件に巻き込まれたら弁護士に頼む」
「裁判に訴えられたら弁護士に頼む」など、
すぐに思い浮かぶのは、裁判のイメージではないでしょうか?
このように、弁護士は法律の専門家で、争いの調停や交渉の場面で、依頼者の代理人になるのが仕事です。弁護士は、依頼者の代理人として交渉をすることになりますので、当然ながら、相手方は敵となります。両者の意見を持ち寄って、妥協点を見つけてまとめるということではないのです。
相続での弁護士の立場
それでは、相続の場面はどうでしょう?相続というのは、親子、きょうだいなど身近な親族が当事者ですので、そもそも、一番信頼できる人たちのはずで、争いはないはずです。ここに弁護士が登場しなくても、親族で話合ってまとめていけばよいことです。
ということは、争わない限り、弁護士に頼む必要はありませんし、むしろ、最後まで、弁護士を引っ張り出さない方がよいということなのです。
仮に弁護士が公正証書遺言の遺言執行者になっている場合は、弁護士の業務は遺言執行で終わり、それ以上のことは引き受けてはもらえません。遺留分減殺請求を起こされると請求された相続人は遺言執行者の弁護士に依頼して解決したいと思うでしょうが、遺言執行者の弁護士がその依頼を受けることは弁護士法で禁じられています。こうなると、もめても、仲裁にも入ってもらえないのです。
弁護士に頼まないといけないとき
・認知症などで本人の意思能力が低下したとき→成年後見人として財産管理をする
・弁護士が成年後見人になっている場合、財産目録の作成
・遺言執行者に指定されている場合の遺言執行
・相続人でもめてしまい、遺産分割協議ができないとき
弁護士には頼まないほうがいい!これが真実
・一度頼むと当事者同士で話ができなくなる
それでも相続の場面では、うまくいかないのはよくあることです。きょうだいだからこそ、それぞれの主張が対立しても互いに譲れず、感情的になってしまうこともあります。相続人の誰かが一方的な主張をしたり、高圧的だったり、ささいなことで激高したり、話し合いにならないこともよくある話です。
これでは第三者がはいらないと解決しないと思い、弁護士に頼る道を選択することになります。一方が弁護士を頼むと、弁護士は依頼者の味方になりますので、他の相続人には有利に働きません。そうなると、もう一方の相続人も、弁護士に依頼して代理人になってもらうことになります。両方とも弁護士が代理人というわけです。
もめてしまうと、冷静な話し合いにならないため、その後は、相続人で話し合ったり、会ったりすることがストレスになりますので、第三者が間に入ってくれただけでほっとしたという声もあることは事実です。
しかし、弁護士に依頼をしてしまうと弁護士からは「すべて弁護士を通して進めるので、相続人とは直接話をしないように」と言われます。そうなると、きょうだいで話し合う機会はもう、なくなり、ますます対立していることが明確になってしまうのです。こうしたことがきっかけになり、きょうだいでも絶縁になるのです。
・やっぱり裁判に持ち込むのが仕事?!
傷害事件のように、明らかに一方が罪を犯したのであれば、わかりやすいのですが、相続はそうした事件とは違います。どちらが正しい、どちらが間違っているというよりも、それぞれの意見や感情の対立が生じて互いに譲れないのです。まだ、後戻りできるときに「身内で争ってもいいことはないので、冷静になって、互いに譲り合うように。」と言ってくれる親族や専門家がいて、冷静さを取り戻せば、深刻な争いにはならないのです。
しかし、弁護士は一方の話を聞いて、その人の味方になるのが仕事なのです。他の相続人の主張もき聞いて、歩み寄りましょうという立場ではないのです。対立している立場から考えれば、相手が依頼した弁護士の話を聞いて、譲歩する感情にはならないのです。むしろ、そちらがそういう態度なら自分も味方をつけるしかないという気持ちになり、弁護士を頼むことになります。そうしないと勝ち目がないのも事実です。
よって、それから先の解決方法は、「法廷の場で」ということになり、裁判所に調停を申し立てたり、相手を訴える裁判を起こしたりするわけです。そうしたほうが報酬がもらいやすく、弁護士の解決の方法だということでしょう。
・裁判所に持ち込んでも気持ちは救ってもらえない
依頼した相続人とすれば、もめた原因は、財産がほしいばかりではありません。「財産の内容を教えてもらえない」ことが発端となり、「なにか隠し事をされている」と感じるようになり、さらに、「話を聞いてもらえない」「自分の言うことを認めてもらえない」など、当たり前のことが要因になっています。
多くの方は、財産の分け方を決めるにあたって、自分の気持ちを聞いてもらい、認めてもらえば、相手の言い分も聞いて、譲り合ってもいいと思っているのです。話し合いに入る前は、ぴったり等分でなく、自分が少なくてもかまわないと思っているのです。
ところが、話し合いにもならなくなり、最初は、「財産ではなく、気持ちの問題」と思っていた人も、「気持ちが通じないのであれば、せめて、財産をもらおう」と変わってしまうのです。そこに弁護士が登場すると、解決の方法は、もう「財産」のことでしかできなくなるのです。
弁護士や家庭裁判所に救いを求めたとしても、調停も、裁判も、気持ちを汲み取ったり、救ったりするところではないということです。
むしろ、主張のぶつけあいとなり、対立はどんどんエスカレートしていきます。証拠の提出や主張する場面でも、片方が文書で主張していくとき、「それは違う」「そんなことはない」と思っても、その場やその後に、直に相続人同士で話し合いが持てないわけです。そのストレスは、それまでの比ではないほど、想像以上になるわけです。
もめ始めた頃に、いろいろ言い合っていたときのほうが、顔の表情や声のトーンなどから、まだ、感じ取れるものがあったのですが、裁判所の場面ではそれがありません。
これでは、さらにストレスをかかえることになります。多くの人は相手を恨んだり、責めたりする怒りのエネルギーから体調を崩します。鬱病を発症する人もあるのです。
要は、遺産分割の調停というのは、財産の分け方を決めるところですので、それ以上のことは期待できないのです。
「あなたの気持ちはよくわかった。これからもきょうだい助け合っていきたいので、財産の分け方はこうしたい」といういたわりやねぎらいの言葉を添えてもらえば、片方も、「いろいろ大変なことはわかったし、話し合えてよかった」と譲ることができるのです。
ほんとうに、「財産ではなく、気持ちの問題」なのです。
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