夢相続コラム

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空き家問題における相続上の課題(1)

2021/05/21


空き家問題における相続上の課題(1)

空き家に関するトラブルが増えている

空き家が増える背景として家族のあり方が変わったことが要因の1つだと言えます。親子、きょうだいが同居して同じ家に住み続けることは減りつつあります。親世代が亡くなると、生まれ育った家には住む人がいなくなり、空き家となってしまうのでしょう。空き家状態が長期化し、放置されてしまうと、近隣とのトラブルにもなりかねません。老朽化が進んで倒壊しそうになっている、庭木が伸びて隣家に越境したり、荒れ放題でゴミが不法投棄されたりしているのに、所有者はいっこうに放置したままという状況もあり、防災、衛生、景観等の生活環境に影響を及ぼすという社会問題へと発展しています。 こうした空き家が増えたことは相続問題が要因となっているケースがあります。相続人で揉めてしまい、家を相続する人が決まらず、何年も放置したままとなることも珍しくはありません。

【事例】Iさん(50代男性)は弟と二人で父親の相続手続きをしないといけないところ、もう5年も進んでいません。Iさんも弟も等分に相続するということで合意はできているのですが、財産の大部分が実家不動産のため、具体的にどうすればいいのかが決まりません。売却がいちばんの選択肢ですが、弟はしばらくこのままにしたいということで空き家のままとなっています。

【事例】Mさん(40代男性)は末っ子の長男で姉が二人います。家を離れて久しいため不動産を相続する気持ちはなく、姉のどちらかが実家を相続してくれたらいいのにと考えています。そうしたMさんの無責任な態度に姉が憤慨し、父親が亡くなってから3年過ぎても遺産分割がまとまりません。売却するにも期待した価格で売れるかわからず、その踏ん切りもつかず、放置している状態です。

相続放棄しても、いらない実家の管理義務は負わないといけない

地方の不動産はいらないので相続放棄をしたいという相談もめずらしくありません。親が住んでいるうちはいいが、亡くなって住む人がいなくなれば管理も面倒なばかりで、売れないような不動産などいらないというのです。家財道具の処分代がかかり、朽化した家の解体費がかかるとなればなおさらで、相続したくないというのが本音のようです。
しかし、民法第940条 (相続の放棄をした者による管理)では、相続人全員が相続放棄しても、相続する人が決まるまで、その財産の管理を継続しなければならないとされています。価値がないから、面倒だからと言ってその義務を放棄することはできないのです。

空き家を相続しても自宅があれば小規模宅地等の特例が使えない

亡くなった人の自宅の土地については、小規模宅地等の特例があり、同居している場合や自宅を所有していない「家なき子」となる場合は、相続税の申告時に330㎡まで評価額が80%減額できます。ところが空き家を相続する場合は、そもそも同居はしてこなかった状況で、すでに自分の自宅を所有していることがたいていでしょう。こうした場合は、亡くなった人の自宅であっても、小規模宅地等の特例は適用できず、基礎控除を超えていれば相続税が課税されてしまいます。

【事例】母親の敷地に、夫名義の家を建てて住んできたSさん(60代女性)は特例が使えず相続税の納税をしました。Sさんは二人姉妹の次女ですが、父親が亡くなったあと、母親の面倒を見るため敷地の半分に夫名義の家を建てて住んできました。廊下で行き来できるようにしてあります。
ところが母屋は母親名義で、Sさん家族が住む家はSさんの夫名義のため、同居とならず、「家なき子」にも該当しなかったのです。母親名義の家であれば同居とて特例が生かせたのでした。

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