夢相続コラム
弊社の活動内容や日々のできごと、お知らせなどをお伝えします
被相続人が孤独死していた~手続きから売却までの流れ~
2022/05/24
被相続人が孤独死していた~手続きから売却までの流れ~
きょうだいが孤独死していた
ご来社されたY様には、きょうだいが一人います。両親は既に他界しており、Y様は結婚し子供も出来ましたが、きょうだいは結婚しておらず、両親が他界してからは実家で一人暮らしでした。昔から意見が合わず、必要以上に近づかなかったそうです。両親が他界してからは、更に疎遠となり、10数年連絡をとっていませんでした。先日市役所から手紙が来ました。「○○区~(実家)の木の枝が越境しており、住民から苦情がきております。ご対処いただけないでしょうか。」きょうだいは昔から一人で海外に行く人でした。今回も長期で海外に行っているものだと思い、すこし憤りを感じながらも、しばらくぶりに実家に行ってみることにしました。玄関には鍵がかかっていましたが、電気はついていました。チャイムを押しても、声をかけても返答がなく、不審に思いながらも、昔のように勝手口から上がりました。そこには白骨化した遺体がありました。
警察に連絡後、流れに任せて諸々の手続きを行いました。検案の結果、死因は分かりませんでしたが、約3年前に亡くなったようです。
ご来社時、Y様はまだ落ち着かない様子で、これから何をしてよいか全く分からないので、ご教示いただけないかということでお見えになりました。
整理の流れ
孤独死だからといって、基本的な流れは変わりません。
(1)遺品整理
(2)資産の確認
(3)相続登記
(4)空家になった実家の活用
(1)遺品整理
まずは遺品整理です。資産の確認のためにも、通帳や書類を確認し、資産の状況を確認しましょう。実家を売却するのであれば思い切って業者にお願いするのも有効です。
(2)資産の確認
資産の確認ですが、通帳や株券が見つかれば、銀行・証券会社に問い合わせをし、残高証明書を依頼します。もし海外に口座があればそちらも照会が必要になります。亡くなった方の財産を全て確認する必要があります。
資産の総額が、基礎控除額以上(3,000万円+600万円×相続人の人数)になる場合は相続税の申告が必要です。期限は相続発生を確認した日から10ヶ月以内です。今回のケースの場合、遺体を発見してから10ヶ月以内ということになります。
(3)相続登記
実家の相続登記が必要です。売却する際には必ず必要なので、売却されない場合でも登記を行うことを推奨しています。
(4)空家になった実家の活用方法
・実際に居住する
・アパート建築等資産活用を行う
・売却する
大きく分けて上記3つの選択肢が考えられます。注意しなければならないのは、告知義務がある点です。告知義務というのは、購入検討している方に対して、過去にこの物件で人が死亡していると告げなければならないというものです。今回の孤独死は、人によってはあまり気になさらないかもしれませんが、国土交通省公表の「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」には、「自然死や日常生活の中での不慮の死が発生した場合であっても、取引の対象となる不動産において、過去に人が死亡し、長期間にわたって人知れず放置されたこと等に伴い、いわゆる特殊清掃や大規模リフォーム等が行われた場合においては、買主・借主が契約を締結するか否かの判断に重要な影響を及ぼす可能性があるものと考えられる」と記載があるので、告知しなければなりません。
自己利用するのであれば特段問題ありません。但し売却する時はもちろんですが、ご実家を建て替えてアパートを建築した際にも、入居希望者に対して告知が必要です。賃貸借契約の告知義務の期間は3年です。
まとめ
家族が孤独死された場合、パニックに陥ってしまうかもしれません。そういった際は特に第三者に、相談を行うことをおすすめします。空家の活用に関しては個別事情が大きく関わっていきます。夢相続では、このようなご相談も受けておりますので、お気軽にご連絡ください。
弊社では様々なプランをご用意しております。
お気軽にお問い合わせください。
相続実務士
住吉 信哉(すみよし しんや)
相続実務士、宅地建物取引士、AFP、2級ファイナンシャルプランニング・技能士、賃貸不動産経営管理士
相続のご相談は一人ひとりが異なります。どのようなケースでも対応できるよう、日々精進しております。
皆様の相続が幸せにつながるように、誠実に取り組んでまいります。