夢相続コラム
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【相続の教科書】相続事情4 相続の価値がなくなった。負の財産、相続放棄も増えている
2022/08/03
【相続の教科書】相続事情4 相続の価値がなくなった。負の財産、相続放棄も増えている
現実の相続では、プラスの財産よりもマイナスの財産いわゆる負債だけが残るケースも急増しています。それに至る事情は様々ですが、たとえば不動産を担保に相続対策で賃貸事業をしている場合、家賃が下がったり、空きが出たりすると収入より返済の方が多く維持できないケースも出てきています。あるいは、確実な収益があがる事業の負債ではなく、会社を経営していたが、商売上の負債が残ったままで今後の回収は難しいとか、または、借りた目的も不明で返済原資も見込めない場合があります。
亡くなったときに負債として残っている場合、賃貸事業のように今後も収益があげられるもの以外は、たいていが返済に充てられる預貯金や動産もないとなります。相続財産の中に返済できるだけの預貯金があれば問題はないのですが、そんなことであれば生前、本人が返済できるわけですから、負債のまま亡くなったとなれば、やはり返済の見込みがつかず、計算してみると財産よりも負債が多いとなります。相続人としても、今や自分の生活で精一杯という時代です。親や兄弟が、自分の知らないところで借りたお金であり、自分が使ったわけでもないので、いくら親や兄弟といえども借金の尻拭いをする余裕はありません。自ずと「相続放棄」という選択肢になります。相続放棄を選択する人は年々増えており、今後も増加する傾向にあると思われます。
自宅の購入資金やアパートの建築資金といったはっきりした目的のあるものや家賃収入等があるものは、相続人が引き継いでも利益を得ますので、十分納得できる財産と言えます。しかし、昨今は、返済する原資のない負債だけが残った、という方も増えているのです。
たとえば、会社経営に失敗して負債だけが残った場合や、仕事をリストラされ生活費等に充てるために借金をしたような場合があります。こうした場合、借りたお金はすでに使ってしまい、残っていませんし、返済するにもはっきりとしためどがない場合があります。
また、連帯保証人の問題も深刻です。ご自分が経営していた会社に借入があり、代表者として自宅を担保提供をして連帯保証人になることはよくあることで、それを引き継ぐ相続人があれば致し方がないところですが、相続を機に他人が代表になり、連帯保証や担保提供だけが残ることもあります。
当然ながら、こうした状況だと、負債や連帯保証だけを残されても相続人は迷惑でしかないわけです。相続放棄が増えているのもこうした現実の裏付けでしょう。
本来の相続とは、「財産を引き継ぐこと」であり、「財産が増えて家族が幸せになること」ではないでしょうか?ところが、相続して財産が増えたはずが、相続したばかりに大変な苦労をしている人たちがいます。こうした問題を残さないことが賢明であり、課題となるでしょう。
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