夢相続コラム

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【価値ある相続を実現する】資産価値を高めて財産を殖やす実例4

2021/09/22


【価値ある相続を実現する】資産価値を高めて財産を殖やす実例4

納税と節税対策にアパートを建てた藤井さん

□藤井家のプロフィール・・・賃貸物件で空き地はほとんどなし
被相続人  父(不動産賃貸業)
相続人8人 母(無職)
      長女(結婚して他家へ嫁いでいる、父の土地に家を建てている)
      次女(結婚して他家へ嫁いでいる)
      三女(結婚して他家へ嫁いでいる、父の土地に家を建てている)
      長男(公務員、両親と実家に同居)
      次男(会社員、父の土地に家を建てて住んでいる)
      三男(会社員、父の土地に家を建てて住んでいる)
      四女(会社員、独身)

□相続事情
藤井さんは役所にお勤めの公務員です。父親が亡くなった時に、取引銀行のに担当者に相談したところ、顧問税理士が相続税の予想額を出してくれました。相続税は2億2千万円だとのこと。予想以上の相続税額でどうしたものか、困っていたところ、銀行の支店長が藤井さん宅を訪れ、相続の専門家に頼んでみないかとこちらを紹介されたのです。分割の相談や納税の相談などもあり、節税もできればということで依頼を受けました。

父親は30年近く前より貸家を建てて、賃貸していました。貸家4宅地に14棟、貸店舗1宅地に2棟という具合で、宅地のほとんどに賃貸物件が建っていました。貸家建付地の評価減は得られるので、効果はありますが、建物に対する借入金は全くありません。結果的には、相続のときには大きな節税にはなりませんでした。 

相続コーディネートのポイント

・遺産分割・・・納税ができるような土地も相続させた
姉二人と弟二人は、近くにある父親名義の土地に家を建てて住んでいます。四人にはその土地を分けるとし、残る姉と妹には別の土地を分けるというのが、分割案で、残りは母親と藤井さんで相続して家に残す予定です。しかし、他の姉弟たちはそれだけでは納税するできないので、別の土地80坪を納税用として相続し、売却し、納税に充てました。

・遺産分割・・・あえて配偶者の割合を減らした
配偶者の税額軽減を利用すれば節税はできますが、二次相続でまた、遺産分割協議をするにはきょうだいが多くて大変です。今回の財産の分割をめぐる姉弟間の言動をみると、やはり簡単ではなく、二度も同じ思いをしたくないというのが、藤井さんや奥さんの強い気持ちでした。そこで、母親の取得分をあえて少なくし、藤井さんの取得分を増やすことにしました。

・評価・・・変形地となっている地を評価減した
母親が取得した畑は400坪で、もとは長方形でしたが、道路側に妹と弟の家をそれぞれ建てたため、残りの畑は凸凹した変形地となりました。宅地と農地に分けて評価を出し、さらに変形地として減額をしました。

・評価・・・無道路地の土地を評価減した
別の畑は道路がなく、全くの袋地となっています。現実には、隣接する土地を通らせてもらい、なんとか入れるようなことです。この畑は道路を取り付ける面積分を減額しました。

・評価・・・高圧線下の土地を評価減した
この畑のなかに高圧線の鉄塔が建っており、高圧線が土地を斜めに横断しています。高圧線下になっている土地は建築等の制限があり、普通の土地と同様には建てられません。この制限を減額しました。

・評価・・・分筆による接道の違いで評価減した
250坪ある宅地のうち、50坪を分筆して妹名義にし、残り200坪は母親名義としました。妹が相続した土地は公道に接する間口は3.5mの敷地延長の地形となったため、減額しました。母親の土地も一部が欠けた変形地になるので、減額できました。

・納税・・・全額銀行借入とした
藤井さんが相続する土地は、ほとんど貸家や貸店舗が建っており、すぐに売却できるところはありません。そこで、はじめから取引銀行で借り入れを予定していました。早めに手続きし、申告日に紹介銀行による借り入れができ、全額納税しました。借入利息は財務省の金利よりは変動金利では民間の金融機関の方が安くなっています。

☆問題解決・・・家賃滞納者を解決
藤井さんの貸家では、1年近くも家賃を滞納している入居者があり、手を焼いていましたが、明け渡しに同意が得られ、早々に退去してもらうことができました。

☆資産価値を高める対策・・・銀行返済と節税対策のアパートを建てる
6軒並んでいた貸家もかなり老朽化しており、全員に明け渡しをしてもらうことができました。そこで、相続税の銀行借入の返済原資としては土地有効利用の収益を見込むことにしました。土地が広いので2年に分けてアパート2棟を建てることにしました。 150坪に1LDK、10世帯のアパートを先に建てましたが、この家賃収入で相続税の借入返済は十分まかなえます。翌年、妹が相続した土地も合わせて100坪に1LDK、6世帯のアパートを建てました。
これで、母親の相続税はかからなくなりました。また、妹には土地を借りているので毎月地代を支払うこともできています。藤井さんの返済は増えましたが、かわりに母親のアパート収入が入り、一家の生活は今までと変わらず、余分な負担なしに維持していけます。

相続の価値はココ!

○遺産分割
 納税できるような土地も相続させた
 二次相続での遺産分割協議の負担を少なくするため、母親の取得分をあえて少なくた

○評価
 宅地と農地に分けて評価を出し、変形地として減額、袋地や高圧線下の土地も減額した
 分筆することで作り出した変形になる土地を減額した

○納税
 銀行で借り入れを予定して納税した

○問題解決
 家賃滞納者の明け渡しが実現

○資産継承
 アパートを建てることで母親の相続税節税対策と銀行の相続税の返済原資が確保できた

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