夢相続コラム

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【相続実例コラム】余力を残しながら生前対策の有効利用をする馬渕さん

2020/06/05


【相続実例コラム】余力を残しながら生前対策の有効利用をする馬渕さん

●馬渕家のプロフィール・・・私道を整備して土地の利用価値を高めた

・相続人関係図
被相続人  父(不動産賃貸業)
相続人2人 母(無職)       長男(会社員、両親と実家に同居)

馬渕さんの父親は若い頃より鳶職人で、県の協会役員を務めるなどして、長く業界に関わって来られました。仕事から土地のことにも詳しく、親から受け継いだ自宅の土地はもともと一筆の畑だったところを利用しやすいように私道を通して整地しました。それによって自宅は私道3方と公道に囲まれた4方が道路に囲まれた土地になりました。他も3方道路の区画と角地の区画になり、どこも効率のよい土地になりました。
私道の造成費はかなりかかりましたので、父親は造成した区画の一部東側を売却して、その代金をほとんど私道の工事代に費やした程ですが、おかげでどの土地も利用価値が高まったのです。
馬渕さんの父親は私道を整備したあと、貸家とアパートを建てて賃貸業を始めました。土地を売った代金の残りを全部貸家の建物に使いましたので、預金はほとんど残っていませんが、毎月家賃が入るようになりました。木造の平屋の貸家10棟とアパート1棟で、自宅のすぐ前に建てているので、家賃を集金に行くのは母親の仕事でした。
貸家業を始めて30年近くになると貸家は老朽化が激しくなり、空いたあと入らなくなってきました。そこで半分は解体して、更地に戻し、駐車場にしていました。
父親は高齢になったので役職を辞して、自宅で悠々自適の生活をおくるつもりでいましたが、まもなく体調を崩して、入院、ほどなくして亡くなってしまいました。日頃から病気知らず、元気な父親だっただけに、相続はまだ10年以上も先のことだと思い描いていただけに母親も馬渕さんも予想せぬことだったのです。
相続人は母親と馬渕さんの二人です。同居しているのでいつでも話はでき、揉めることはないので、関心は相続税がどれくらいになるのかということでした。本を読んで相続の知識を得ておこうと馬渕さんがこちらの本を買っていただいたのがきっかけですが、サラリーマンで深夜まで仕事という日常の馬渕さんにとって相続の手続きは大変なことでした。
あっという間に月日が経ち、いよいよなんとかしなくてはと依頼を受けたのは申告まで2ヶ月もないという時期でした。

●相続コーディネートのポイント

・遺産分割・・・共有地の按分で調整した
父親は借金がきらいで、亡くなったときは全く負債がありませんでした。今回財産を母親と馬渕さんで分けるとしても母親のときはまた相続税がかかります。そこで、二次相続までに母親は節税対策ができることを視野に入れて遺産分割をしました。
母親が自宅を相続すると対策ができないので、貸家と共同住宅のある土地2筆としましたが、それでは50%を超えてしまいます。そこで8割を母親、2割を馬渕さんとして、特例がぎりぎりまで利用できるように調整しました。

・評価・・・全体を測量
土地の利用形態により、それぞれに分けて評価をした方が評価は下がります。しかし、個々に土地を分けないで利用していることが多く、面積の特定ができていません。そこで、まず全体を測量し、建物の配置図と個々の面積を算出して、節税につなげました。

・評価・・・貸家建付地を特定して評価
残っている貸家4棟とアパート1棟は3方道路の土地に経っていますが、600坪程ある土地の公道に面している建物と私道に面している建物に分かれています。生け垣でそれぞれ区切ってあることから、それぞれの路線価に分けて評価しました。公道よりも私道の方が路線価は低いので、私道に面している方が土地は安くなります。また残りの駐車場は、貸家で利用している部分を区切ると不整形地になります。

・納税・・・相続税は延納に
馬渕家は土地が大部分の財産です。自宅、駐車場、貸家、アパートと全部を合わせると、宅地1200坪程度ありますから、納税は物納や売却は可能です。しかし、どの区画も長方形で利用価値があるだけになくなるのは惜しいと言えました。そこで、土地は残して相続税は延納とし、残した土地を有効利用して、その収益から延納を返済していくことを提案しました。

☆資産価値を高める対策・・・相続税は延納して土地を守る
父親が亡くなったとき、残っていたのは貸家4棟と共同住宅ですが、どれも老朽化が激しく賃借人より屋根やお風呂を修理してもらいたいという希望が出ていました。また、中には家賃滞納をする賃借人もいて、両親は手を焼いていたこともあります。
そこで、相続の機会に貸家4棟は入居者に明け渡してもらうこととしました。アパートは幸い入居者がいませんでしたので、明け渡しのめどはつけられました。
600坪の土地のうち、まず半分を有効利用することにし、1階店舗、2~5階は賃貸マンションのビルを建てることにしました。母親の節税対策と延納した相続税の返済原資とするため、両方のめどがつけることが目的です。

●相続の価値はココ!

○遺産分割
母親は自宅ではなく、節税対策ができる土地を相続した
予定した財産では50%を超えてしまうため、共有割合でぎりぎりまで調整した

○評価・・・利用形態で評価
土地の利用形態で評価をするため、全体を測量し、建物の配置図と個々の面積を算出して節税した
貸家は公道と私道のそれぞれに面して建っているため、測量図と合わせて配置図を作成、個々に評価することで路線価の違いが生じ、節税できた

○納税
土地は残して相続税は延納した
延納の担保は母親が有効利用する土地ではなく、自宅裏の駐車場として

○資産継承
貸家の明け渡し交渉をし、あらたに賃貸物件を建て直した
賃貸物件の収益から延納も返済していく
有効利用した土地は母親が相続した土地の約半分で、状況の変化に対応できる余地として残した

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