夢相続コラム
弊社の活動内容や日々のできごと、お知らせなどをお伝えします
【相続相談の達人コラム】夫の実家に住む?快適な住まいでこそ価値あり
2019/03/25
義父が亡くなり、空き家の実家は夫が相続した
Sさん(50代・女性)から相談がありました。
夫(60代)は長男ですが、大学時代から実家を離れて生活し、結婚後も両親と同居することはありませんでした。
妹も結婚して家を離れましたので、義父母はずっと二人暮らしをしてきたといいます。
義父が先に亡くなり、その後、昨年、義母が亡くなりましたので、夫は妹と相続の手続きをすることになりました。
義父が亡くなった時は、節税対策で建てたマンションに多額の借り入れがあり、相続税はかかりませんでした。そのマンションと負債を夫が相続し、まだ返済を続けています。
自宅と現金を相続した義母は、相続税の基礎控除の範囲内の財産となり、今回も相続税の申告は不要です。不動産は夫が相続し、妹には現金を渡すことで義母の財産の分け方は円満にまとまりました。
空き家の実家が課題
Sさんが相談に来られたのは土地活用のことで、空き家になった夫の実家につき、どういう選択肢があるかということでした。
実家の敷地にあるマンションは、義父が相続税の節税対策として建てたもので、築25年。1階店舗、2から3階が3DKの住居6世帯で、現在は満室です。
課題は100坪の自宅で、義母が亡くなってから空き家となっています。
夫の考えは、ちょうど定年になっているため、このタイミングで実家に戻るようにしたいので、実家の建物を壊し、建て替えて住み替えをしたいということです。
夫は実家に戻って住みたいというが
Sさん夫婦には息子が一人いて、まだ、同居しています。夫は、現在の住まいであるマンションは賃貸し、相続した土地を生かして自宅を建て替えて3人で住みたいというのです。
100坪全部を使うには広いため、半分売却して、それで建築代金にしてはどうかというのが夫の考えです。
ちょうど定年となり、通勤が不要になったため、今の住まいから離れても不自由はないということです。しかし、まだ、仕事をしているSさんには通勤時間が倍ほどになります。
Sさんには住んだことのない土地
夫は生まれ故郷なので、住み慣れたところに戻る感覚でしょうが、Sさんにとっては住んだことのない、馴染みのない土地です。しかも、現在の4LDK、ワンフロアーのマンションから、一軒家、2階建てになるのです。
夫は60代、Sさんもほどなく60代になろうかとするときに2階となると、階段などがあるために住みにくくなるのではと思えます。息子も就職などでいずれ独立するでしょうから、すぐに二世帯住宅も考えにくいところです。
また、現在の家から比べると遠くなること、周辺に知り合いがいないことなど、いろいろな不安要素があり、気が進まないといいます。
快適な住まいでこそ価値がある
そこで、選択肢の一つとして、100坪の土地は売却し、都市圏に所有する方法もあるとお勧めしました。将来、子供が相続するには、同じ立地に自宅と賃貸物件をまとめて所有するよりも、立地を分けて所有することがリスク分散になります。
賃貸物件があれば相続した土地は残せています。これからも夫婦で住む自宅はSさんも快適でないと価値がありません。一方が押し切ってもうまくいきませんので、課題を整理するためにも、ご主人と話し合い、不満を残さずに、進められるようお勧めしました。
遺産相続評論家・相続実務士のアドバイス
今の環境よりも価値の低い、夫の生まれ故郷に財産をまとめるよりは、価値の高いところに分けて持つことをお勧めしました。住居は家族の最重要課題ですので、話し合いによって選択していくことが必要です。
コラム執筆
弊社では様々なプランをご用意しております。
お気軽にお問い合わせください。