夢相続コラム

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【相続相談コラム】税金よりも自宅の活用。空き家の活用が対策

2019/12/16


父親は介護施設へ

Nさん(40代・女性)は二人姉妹の次女で、仕事のために家から独立して、独身のまま、仕事を続けています。姉は結婚して、他県へ嫁ぎ、夫と2人の子供の4人暮らしです。
両親は二人暮らしをしてきましたが、母親が4年前に他界し、80代の父親は、自宅での1人暮しが不安になり、現在は介護施設で生活をしています。姉もNさんも実家から離れたところにあり、同居は難しく、頻繁に通うこともできない事情がありました。


隣接のアパートは空家

父親は繊維関係で自営業を営んできました。高齢になって廃業しましたが、家には仕事の名残の反物などが山積みされています。
自宅は100坪あり、半分に学生向けのアパートを建てて、母親が管理をしてきました。自宅の敷地にある学生アパートですので、寮のような作りになっていて、共有スペースには食堂があります。母親が朝、夕の食事を用意していましたので、11室はほとんど満室で稼働していました。
ところが、母親は脳梗塞で倒れて急死してしまい、食事の用意ができないことや築35年で老朽化してきたことなどから、現在は募集もしていないため、誰も入居はしていません。


父親がガンになった

昨年、父親がガンだとわかり、相続のことも気になり、Nさんが相談に来られました。
財産を確認すると、自宅1500万円、預金1000万円だとわかり、相続税の 基礎控除4200万円以内ですので、相続税はかかりません。
課題は、空家になっている自宅とアパートをどうすればいいのかということです。


リタイヤしたら実家へ戻る?

父親は、自分の財産は姉とNさんが好きなようにすればいいと言っていますが、Nさんは仕事をリタイヤしたあと、実家に戻って住んでもいいと考えています。
しかし、リタイヤするまでまだ10年以上ありますので、その間が問題です。
実家を残そうとする場合、父親が帰ってこられないようであれば、荷物を整理し、リフォームし賃貸するのが方法の1つですが、リフォーム代はかなりかかる上に、快適な間取りではないかもしれません。そうなると理想的な賃料にはならないことが想定されます。


賃貸住宅に建て直しか?

もう1つの方法は、自宅兼賃貸住宅に建て直し、リタイヤするまでは自宅部分も貸しておけば、ローン返済も負担を少なくできます。
あるいは賃貸住宅に建て直すには不向きの立地であれば、無理をせずに自宅だけにして、建て直し貸しておく、などが方法になります。
いずれにしても、老朽化した空き家のまま維持することには不安があり、固定資産税や維持費がかかりますので、自分がすまないのであれば 貸しておくことをアドバイスしました。


相続税はかからないが、空家は課題

Nさんは、相続税がかからないことに安心されました。そして、自宅をどのように維持していくかを父親と姉とで話し合って決めるようにすると言って帰られました。
相続税がかからなくても、不動産はいろいろな課題があり、不動産の専門家のアドバイスやサポートが不可欠になります。


相続実務士のアドバイス

相続税はかからないと判断できましたので、問題ないと思いがちですが、実家が空家となると固定資産税はかかる上にアパートも空室で収益はないので、実質持ち出しになります。姉妹がすぐには住まないということであれば、リフォームして貸しておく、建て直して貸すというように賃貸することを考える必要があります。しかし、費用がかかります。もうひとつは売却して維持しやすいところに不動産を買い換えておく方法もあります。Nさん姉妹にとって一番の方法は売却、資産組替だと思われるので、そうしたアドバイスをしています。



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