夢相続コラム
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【相続税を減らす生前の不動産対策】「法人編」生前:節税のキーワード
2019/07/17
同族会社を作り父親の節税対策をした田口様
生前:節税のキーワード「評価を下げる」+「財産を減らす」
[課題]
田口さんの父親は母親が亡くなってから1人暮らし。
長男の田口さんは仕事や子供の学校の関係で両親とは同居できず、そのまま自宅を購入していまに至ります。父親は親から相続した貸宅地があり、毎年の地代収入がありました。また、一部の貸宅地を売却した現金や親から相続した現金があり、優良株を購入し、長期に保有してきました。
父親は80代後半の年代になっていますが、相続に関してはこれといった節税対策をしていないため、不安になった田口さんが相談に来られました。田口さんはこれまで転勤のある仕事をしており、父親のことはサポートできていませんでしたが、父親の1人暮らしが困難になったことや、子供のいない叔母の介護も必要になったため、思い切って会社を退職して2人のサポートをすることにました。
財産を確認し、相続税の資産をすると相当な額になり、早急に節税対策をしたほうがよいと判断されました。
[対策1]有価証券と預金で賃貸不動産を購入した
有価証券は安定した銘柄で、解約しても元金割れしません。そこで、2億4000円を解約しました。次に、定期預金を5000万円解約しました。その合計額の2億9000万円で12戸の区分マンションを購入しました。まとめて1棟マンションを購入してもいいのですが、適当な物件が少ないため、立地や間取りを変えることも空室対策になりますので、別々の中古マンションを購入するようにしました。
預金や非課税枠を超えた生命保険では節税できないのですが、賃貸不動産に替えることによって評価が30%程度になるため、確実な節税対策ができました。
[対策2]小規模宅地等の特例が使えるようになった
田口さんは父親と同居しておらず、すでに自分で自宅を購入しているため、居住用の小規模宅地等の特例は使えません。けれども、賃貸住宅を購入すれば、200㎡まで50%評価減できる貸付用の小規模宅地等の特例が使えるようになります。
けれども、土地でも現金でも財産評価に対して相続税が課税されますので、納税のために現金が減ることは、土地がなくなるのと同様で、財産が減ることに代わりはありません。
[対策3]不動産管理会社の設立
賃貸住宅の名義は父親ですので、家賃は父親に入ります。そうなるといったん減らした預金はまた貯まるばかりです。そこで、田口さんが賃貸管理の法人を設立し、父親から賃貸住宅を一括して借り上げて、父親の収入を減らすような提案をしました。その後は計画的に建物を父親から法人が買い取り、法人の家賃収入を増やすようにすれば、さらに節税対策は効果的です。
実例 同族会社を作り父親の節税対策をした田口様
[ご家族の状況]
○依頼者 田口さん(男性・40才代) ・職業 会社役員
○家族関係 父親(80代)、長男(本人)
□賃貸不動産に組み換えによる評価減◇
[対策前]
相続財産 | 4億3454万円 |
基礎控除(相続人1人) | 3600万円 |
課税価格 | 3億9854万円 |
相続税総額 | 1億5757万円 |
[対策後]
①有価証券を解約 | ▲2億4000万円 |
②預金を解約 | ▲5000万円 |
③賃貸不動産を購入 | +8700万円 購入価格の30%と想定 |
◆小規模宅地等の減額 | △1450万円(200㎡ 50%適用) |
基礎控除(相続人1人) | 3600万円 |
課税価格 | 1億8104万円 |
相続税総額 | 5541万円 |
◆節税額 | 1億 216万円 |
◆収支
賃貸マンション12世帯、1R~1LDK
(月額)家賃144万円-管理費等30円=手取り1368万円
但し、当初の法人の収入は家賃の15%程度。
法人が建物を所有すれば家賃は全額受け取れる。
◇賃貸管理法人のメリット◇
1)父親の所得増を抑えることができる
2)長男家族へ給与を支払うことができる
3)父親の個人財産から法人の財産へ移すことができる
◇賃貸経営の会社をつくって資産増を回避する(賃貸管理会社)
賃貸物件の家賃が入るようになると、次は所得税がかかり、現金が財産として残っていくことになります。賃貸マンションを建てた節税効果は確実にあるというものの、増える現金に対して相続税が課税されますので、それも防ぎたいところです。
そうした場合、現金が増えることを避けるために、不動産管理会社となる会社を作ることで現金が増えることを防ぎ、所得税の節税にもなります。また、親族に役員報酬を払うことで、納税資金を貯めることもできるようになります。
不動産会社を利用する方法には、アパート・マンション等を一括してその管理会社に貸し付ける方法(サブリース方式)と管理会社にそのアパート・マンション等の管理をまかせる方法(管理委託方式)とがあります。また、建物を法人が所有する「所有方式」もありますが、個人財産の節税にはなりません。
【法人】賃貸経営の会社をつくる 資産増を回避する方法になる
◇不動産管理会社で現金増を回避
賃貸事業が順調に稼働し、家賃が入るようになると、次は所得税がかかりますし、今まで以上に収益があがれば、現金が財産として残っていくことになります。賃貸マンションを建てた節税効果は確実にあるというものの、増える現金に対して相続税が課税されますので、それも防ぎたいところです。そこで、不動産管理会社を作り、会社に家賃の一部を払うことで現金が増えることを防ぎ、所得税の節税にもなります。また、親族に役員報酬を払うことで、納税資金を貯めることもできるようになります。
◇サブリース方式と管理委託方式がある
この不動産会社を利用する方法には、自分の持っているアパート・マンション等を一括してその管理会社に貸し付ける方法(サブリース方式)と管理会社にそのアパート・マンション等の管理をまかせる方法(管理委託方式)とがあります。
「サブリース方式」とは、管理会社に自分のマンションを一括して貸し付け、その後、その管理会社が第三者に貸付けるという方法です。
「管理委託方式」とは、不動産管理会社に不動産の管理をまかせて管理料を支払うという方法です。
◇所有方式もあるが節税効果は少ない
「所有方式」とは、土地は個人所有のままで、建物だけを会社が所有し、会社が建物オーナーとして第三者に賃貸する方式です。この場合は、建物を会社名義で建てるため、個人の借入はなくなりますので、節税対策とすれば、土地を同族会社に貸していることの減額のみで効果は少なくなります。
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