夢相続コラム
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「不動産」で節税することが成功の秘訣【事例で解説】
2017/08/09
不動産は、千万円単位、億円単位で相続税が課税される財産です。
ですから、土地を残すには節税対策を講じなければなりません。
不動産の問題は、相続税だけではありません。
不動産は評価が難しく、分けられないため、もめ事の原因になりやすいのです。
しかし裏を返せば、不動産を活用することで大きな節税が可能になり、トラブルを避けることもできるのです。
不動産を活かして、相続税が節税できた事例を紹介しましょう。
土地があるから節税対策ができた奥村さんの事例
造成して貸家を建てた敷地
奥村さんの父親は、自宅と隣接する畑を所有する農家の分家でした。
1200坪程の土地には、父親が私道を整備し、自宅が四方道路に囲まれた形となり、他の区画も角地となっています。
父親が営んでいた貸家業は、近隣に工業団地があり、大きな道路に面していることもあって順調です。
それも築30年を過ぎると建物の老朽化が進み、空き家になった棟から解体して駐車場に切り替えていましたので、残る貸家は5棟となっていました。
二次相続対策を考える
父親は70代半ばで亡くなりましたが、財産のほとんどが不動産です。
私道を造って土地の利用価値を高めた後、貸家やアパートは自己資金で建てています。
その後、借入をして積極的な節税対策まではしていないため、負債はありません。
相続人は母親と奥村さんの2人で、遺産分割で揉めることはなさそうです。
母親の相続税が増えることを避けるため、節税対策ができる土地を母親が相続するようにしました。
父親の財産評価は3億7000万円、相続税は8400万円となりました。
しかし母親は配偶者特別控除を受けられるため、納税するのは奥村さんの分のみ4200万円です。
相続税は土地を担保に延納にして、土地は全部残すことを提案しました。
土地を活かした節税対策
母親が相続した土地は550坪あります。
この土地を活かして節税するため、賃貸住宅を建てることを提案しました。
敷地全体を利用して大きなビルを建てることも検討しましたが、相続税が節税できる事業規模でよいことと、余力を残しておくことを考え、敷地の3分1に南向きで建てることとし、1階は店舗、2~5階は賃貸マンションとしました。
さらに残りの土地は駐車場として賃貸することで、賃貸収入を得ることができます。
対策の結果、安定した賃貸経営に
父親の相続税の申告が終わってから、母親が二次相続の節税対策の実行を決断されるまで、5カ月程度かかりました。
1階の店舗は着工前に賃借人が決まり、賃貸住宅も完成してすぐに満室となるなど、順調に賃貸経営ができています。
奥村さんの希望を実現するプランを提案することで、父親が整備してくれた土地をどこも手放すことなく、さらには古い貸家を二次相続の節税対策となる新たな賃貸事業へと生まれ変わらせることができました。
今回の賃貸事業は母親の節税対策ですが、家賃滞納や修繕費の負担から解放されて、奥村さんはひと安心されました。
母親が亡くなったときの相続税は課税されることがなくなりましたので、安心して賃貸経営ができると奥村さんは安堵しておられます。
古い貸家のときから比べると家賃収入は5倍になり、安定した賃貸経営になっています。
まとめ
【被相続人】
父親
【相続人】
母親、子ども1人(奥村さん)
【主な相続財産】
自宅、貸家、アパート(空室)、駐車場
【課題】
・財産のほとんどが土地。
・母親と息子で遺産分割協議が必要。
・納税資金はないが、土地は売らずに残したい。
・申告期限まであと2カ月ほどしかなかった。
【コーディネートのポイント】
◎相続税の節税[土地の評価の仕方で相続税を減らした]
所有地全部を測量、建物の配置図を入れた利用区分測量図を作成した。
利用単位ごとに測量をすることで、不整形地となり、土地の評価減ができた。
◎遺産分割・納税[節税と二次対策ができる分け方をした]
・配偶者の税額軽減を利用し、母親は財産の半分まで無税となった
・二次相続の対策ができる土地を母親が相続し、賃貸住宅を建てた
・奥村さんの納税は土地を担保に延納としたため、土地はどこも売らずに残せた
◎土地有効利用(節税対策)[節税対策で土地を有効利用した]
貸家、アパートを賃貸マンションに建て直すことで、資産価値と収益率がアップした。
【コーディネートの効果】
[相続税の節税額]4188万円
[賃貸物件を立て直して資産価値を高めた]
[年間の収益]1800万円(今までの5倍)
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