夢相続コラム

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生前対策【贈与】現金よりも土地を贈与して有利に節税する

2017/11/08


現金の贈与は一般的に節税対策として多くの方が実行されていることでしょう。現金などの金融資産は、額面どおりの時価で評価されます。100万円の現金は、現在も将来も100 万円の価値だということです。

 

しかし、不動産の場合は、少し事情が違います。なぜなら不動産は時価よりも低い路線価や固定資産税評価額で評価されますので、より多くの価値分を贈与できるということです。

 

たとえば、都市部の場合、現在の地価は下落していますが、将来は上昇に転じることもあります。つまり、評価の低いときに贈与してもらうほうがいいといえます。

また、賃貸物件なら、贈与後の家賃収入も自分のものになり、節税効果だけでなく、現金収入があることは魅力です。

 

土地の贈与についてご紹介します。

 

住宅資金の贈与よりも住宅をもらったほうが得

 

相続税法上の建物の時価は固定資産税評価額、土地は路線価で決まるので、たとえば、市場での時価が1億円の都心の土地と建物が、評価額は半分以下ということが珍しくありません。

 

そのため、住宅購入資金として現金を生前贈与してもらうより、親が住宅を購入し、それを贈与してもらったほうが節税になります。

 

相続時精算課税制度を節税対策とするには

 

相続時精算課税制度では、相続財産と合算する贈与財産(相続時精算課税適用財産)の価額は、贈与時の価額で計算されるため、相続時に実際にその財産の価額が上がっていれば、結果的に節税となります。贈与財産の「贈与時の価額」と「相続時の価額」が同じであるならば、基本的には相続税の節税にならないということになります。

 

しかし、贈与財産の「贈与時の価額」と「相続時の価額」が同じである場合でも、収益物件を贈与するならば、相続税の節税となります。

 

たとえば、親が賃貸アパートを持っているとすると、そこから入る家賃収入は親のものです。必要経費や所得税などを差し引いた残りは、当然親の財産となり、結果的に相続財産となってしまいます。けれども、賃貸アパートを親から子供へ贈与すれば、その後の家賃収入は子供のものとなるため、相続財産の増加を防ぐことになります。子供は家賃収入を納税資金として蓄えることができます。

 

また、所得の分散効果があるため、子供より親のほうがはるかに所得があるならば、贈与することで、全体の所得税が減ることになります。

 

現金の贈与は、節税として一般的な手段です。

だからこそ、現金の贈与よりも土地の贈与のほうがメリットが大きいことを知っておいていただきたいと思います。

 

 

今回のキーワード 不動産

移動が困難な財産のことで、建物と、それに付随する土地と考えて差し支えない。市町村の税務課(東京都23区では都税事務所)にある固定資産課税台帳に登録したる固定資産税評価額や、路線価で評価される。

 

今回のポイント

・不動産の評価は、路線価や固定資産税評価で評価される。
・路線価や固定資産税評価は、時価よりも低い評価になる。
・住宅資金を贈与されるより、住宅自体をもらったほうが節税になる。

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