夢相続コラム
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【遺言を作る人のそれぞれの事情】跡継ぎの孫養子に不動産を相続させる
2022/11/21
【遺言を作る人のそれぞれの事情】跡継ぎの孫養子に不動産を相続させる
◆相続関係者
●遺言作成者 山本秀夫さん・90代
●推定相続人 長男、長女、養子(長男の子)
◆家族と相続の状況〈会社を興して、ビル2棟を所有するまでに成功した〉
山本さんは戦後、いろいろな仕事を経験した後、運輸会社を創業し、業歴は50年を超えます。業績がよかったときに二ヶ所の土地を購入して、事業ビルを建てています。ひとつは会社が使用し、他は賃貸していますが、立地のよさもあって安定した収入源です。現在は社長を長男に譲り、会長職ですが、会社に出るのが健康の秘訣となっています。
創業当時から会社を支えてくれていた妻は病を患い、既に他界してしまいましたが、長男家族と同居をしているので、何ら不自由はなく、幸せな日々を送ってきました。
ところが、数年前、社長である長男に病が見つかり、手術を余儀なくされました。その後も入退院を繰り返し、無理ができないため、長男の子が勤めていた会社を退職し、山本さんの会社に入社して長男のサポートをしてくれるようになりました。まだ30代ながら一生懸命な姿を見て、山本さんは孫に財産や会社を任せようと決意しました。長男や孫に意向を話すと同意してくれたことから、孫と養子縁組もしました。
◆遺言を作る理由〈ビルを所有できないと会社運営が厳しくなる〉
山本さんは孫を役員とし、徐々に長男から孫へ引き継ぎをさせるようにしました。そうなると相続が気になります。嫁に行った長女から家賃収入のあるビルを要求されると、家賃収入に頼っている割合が大きい山本さんの会社は経営が厳しくなります。長女本人は希望しないとしても配偶者や子供からアドバイスされることはよくあることですから、早いうちに遺言書を作る決意もしました。
会社の存続を第一とした内容の遺言にするには、不動産と同族会社株は養子の孫に相続させる内容とすることをアドバイスしてもらい、公正証書遺言ができあがりました。長男は当然同意しており、長女には現金を用意することで、会社も不動産も残すことができるようにしました。長女に内容を話せば理解してくれるとはずですが、遺言書にしたことでより安心でしました。遺言を作るときにはよく孫とも話をしましたが、山本さんの意思を理解してくれて会社を守っていく覚悟が感じられて喜ばしいことです。苦労しながら残してきた財産や会社を託せることは幸せなことだと山本さんは感じています。
◆遺言がないと困ること
・ビルの所有者が変わると会社の収入源が減る
・ビルの収入に頼るところが大きいため会社の運営が難しくなる
・ビルの所有者が変われば会社使用も明け渡しを求められるかもしれない
◆相続実務士からワンポイントアドバイス
賃貸収入に頼る法人がある場合、安定収入が見込めるだけに遺産分割ではバランスを欠 くことが多い。遺産分割でもめるのは会社経営には致命的。早めに合意と対処が必要。
◆知って得する遺言のイロハ
養子縁組をすれば本来の相続人でなくても、戸籍上の子供となり相続人になれる
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