夢相続コラム

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【相続事例】長男は音信不通!同居する次男に苦労はさせたくない泉さん

2020/12/14


【相続事例】長男は音信不通!同居する次男に苦労はさせたくない泉さん

相続データ

相続人6人
配偶者なし・子2人(長男 行方不明・次男)

□プロフィール
泉さんは、昭和27年に結婚して、3人の男の子に恵まれました。夫婦と子供3人で幸せな暮らしをしていましたが、もともと病弱な奥さんが3人の子供を残して亡くなってしまったのです。その後泉さんは、新しい奥さんを迎えました。再婚した奥さんは、まだ小さかった子供たちを立派に育て上げましたが、その過程には苦労も多かったようです。再婚後は子供には恵まれませんでした。 泉さんの長男は、成人した頃からだんだん家から遠ざかるようになりました。今では、ほとんど音信不通の状態になっています。泉さんも奥さんもそれが一番の気掛かりだったようです。次男と三男はそれぞれ結婚して独立していました。
その間、泉さんと奥さんは夫婦二人で生活していましたが、泉さんが定年を迎えたこともあり、いずれ老後の心配も出てきます。そこで、泉さんは、次男夫婦と同居する事を考えました。次男夫婦に相談したところ、共稼ぎの次男夫婦にとって、親との同居は悪い話ではなく、快く了解をしてくれました。けれども、息子夫婦と孫の3世代で同居するには、二世帯住宅の広い家が必要です。泉さんは、市内の不動産をいくつか検討し、60坪の土地を購入しました。3方が道路に面している好条件の立地です。大手のデベロッパーが開発した大規模な分譲地は、どこも60坪位の広さがあり、整然とした住宅街です。駅までの距離は徒歩20分程かかりますが、路線バスも通っているので、不自由はありません。すぐ前には、大きな公園が広がっており、老後の生活を送るには最適と判断されました。

遺言書を残した理由

◇家を購入して同居
泉さんは今までの貯金や退職金等で家を購入するくらいの蓄えがありましたが、同居する息子夫婦への気兼ねもあり、購入する家の名義は、共有することを考えました。まず、土地は自分と妻と次男の3人で、各3分の1ずつとしました。長年苦労を共にしてきた妻の権利を名義の3分の1として登記するのは、当然と思われました。いずれ、自分が先に亡くなった時には、妻の権利を増やすことによって、妻の居場所を確保してあげようという気持ちもありました。次に建物は、次男の妻が公務員で有利な借入ができることから、一番多く負担することにしました。割合は、次男が50分の10、次男の妻が50分の37、泉さんが残りの50分の3を出すことにしました。このように住人のそれぞれが自分の持ち分があるという自宅が実現したのでした。

◇妻が先に
泉さんの思いとは裏腹に、泉さんの奥さんが先に亡くなってしまいました。奥さんの財産は土地の3分の1だけなので、相続税はかかりません。遺言書はないので、まずは配偶者である泉さんの名義に変えることにしました。泉さんの頭では、奥さんの相続人は配偶者の自分と子供3人のはずでした。
ところが、準備するうちにそうではないことがわかったのです。奥さんは再婚ですから、先妻の3人の子供と血のつながりはありません。養子縁組もしていませんでした。また奥さんには自分が生んだ子供はいません。

◇妻のきょうだいにも相続権
法律で指定されている相続人は、配偶者である泉さんが3分の2、残る3分の1は 奥さんの姉兄3人ということになります。万一、姉兄が法定割合の遺産分割を要求してきた場合、自宅の名義が全く他人との共有になるかもしれないのです。
法律で指定されている相続人は、配偶者である泉さんが3分の2、残る3分の1は 奥さんの姉兄3人ということになります。万一、姉兄が法定割合の遺産分割を要求してきた場合、自宅の名義が全く他人との共有になるかもしれないのです。
泉さんは奥さんの姉兄になんとか遺産分割協議書に実印をもらい、名義変更の手続きを済ませることができましたが、簡単ではなかったようです。泉さんは、不動産の共有名義が簡単ではないことをつくづく感じたということでした。
泉さんは、奥さんの姉兄にいくらかの現金を分けることで、遺産分割協議書に実印をもらい、奥さんの所有していた割合の土地の名義を自分の名義に変更の手続きを済ませることができましたが、簡単ではなかったようです。

◇妻の時のような苦労させたくない
自分が亡くなったときには当然のことながら、自分の持ち分は次男に相続させる予定です。妻の相続を経験したことから、分割協議は大変だと実感したのです。まして長男は30年近くも音信不通で所在は全くわかりません。遺産分割ができないと困るという判断から、公正証書遺言を作成しました。
自分の持ち分は次男に全部という内容です。万一、自分より次男が先に亡くなった場合には、次男の妻に遺贈するとしました。 なにより安心したというところです。もう公正証書があれば遺産分割協議書を作る必要はないので、長男を捜し出すこともなく、家庭裁判所に手続きをする必要もありません。本当によかったと言っておられます。

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